腹腔鏡の歴史・健康保険適用腹腔鏡下手術のリスト
最終更新日: 2002年09月16日、アクセスした日: 05月18日

腹腔鏡下手術は、1987年にフランスで開発されました。 1989年にアメリカで胆嚢摘出手術の実施が報告されると、全米で爆発的に流行したそうです。

1990年、日本で初めて腹腔鏡を使った胆嚢摘出手術をした帝京大溝口病院の山川達郎教授によると、 「あんなものは手術じゃない、という批判が圧倒的に多かった」 そうです (読売新聞 96/5/27 医療ルネサンス1169)。

それから、わずか6年で腹腔鏡下手術は日本でも爆発的に増え、当初は健康保険が適用される範囲が小さかったのですが、1996年4月に胃や腸の切除など適用範囲がかなり広くなりました。

健康保険が適用される腹腔鏡下手術のリストを以下に示します。 医者から腹腔鏡下手術を勧められた場合は、必ず下記リストをチェックし、健康保険の対象となる手術かどうかを確認してください。 健康保険の対象とならない手術であり、かつ医者がそのことを患者に伝えない場合は、人体実験的な要素が強いので、絶対手術を受けてはいけません。

1998年 9月 27日、匿名の方から以下のコメントをいただきました。

「虫垂炎(盲腸)は、薬で治すこともできますし」 については誤解を招くと思います。 全ての虫垂炎を薬で直すことはできないと思います。 手術適応症例が多いと思います。 手術については私もわざわざ腹腔鏡下虫垂切除術をすべきとは思いません。

また、保険が適用されるからといって安心してはいけません。 たとえば、虫垂炎(盲腸)は、薬で治すこともできますし、開腹手術しても傷痕は小さく1週間で退院できます。 なぜ、わざわざ困難な方法をとる必要があるのでしょうか? しかも腹腔鏡下虫垂切除術には、以下の欠点があります。

私には、「外科医が手技を練習するために、腹腔鏡下虫垂切除術が存在する」としか考えられません。

さらに、厚生省がなぜ、1996年4月に健康保険の適用範囲をこんなに広げたのかを考える必要があります。 病院側の経済的負担を低減するために、医療側がかなり積極的に厚生省に働きかけた結果ではないでしょうか? 日本内視鏡外科学会理事長の出月康夫埼玉医大総合医療センター教授も 「保険の適用範囲は、今のところこれ以上広げる必要はない」 とコメントしています (読売新聞 96/6/3 医療ルネサンス 1176)。

健保の適用範囲が広がる前は、健康保険対象外の内視鏡手術を不正に保険請求する例が多かったようです。 1994年度、不正請求の疑いを受けて監査を受けた医師の数は528人と過去最高を記録しました (1993年度は82人)。 これは、健保対象外の内視鏡手術を不正に請求していた兵庫医大の医師463人を監査したためです (読売新聞 95/11/18)。

監査の結果、手口が悪質な場合は、保険医などの登録を取り消されるようですが、悪質でない(?)場合は、不正請求した金額を返還さえすれば許されるようで、罰則はないみたいです。 奇妙な話ですね。

健康保険が適用されても、腹腔鏡手術は原価割れするので、以下のようなことが行われているようです (日経新聞 96/11/2より引用)。

例えば内視鏡を使った胆のう摘出手術の診療報酬は183,000円だが、手術用の使い捨て医療器具だけで18万円を超える。 「手術の前後に患者に9日間入院してもらい、手術代の赤字を穴埋めしているのが実情」 (帝京大学医学部付属溝口病院の山川達郎教授)。 米国ではこの手術の入院は2日間だ。
1992年4月、健康保険対象となった腹腔鏡下手術

胆嚢摘除術

1994年4月、健康保険対象となった腹腔鏡下手術

肺切除術、鼠径ヘルニア手術、子宮内膜症病巣除去術、 子宮附属器癒着剥離術、卵巣部分切除術、子宮附属器腫瘍摘出術、子宮外妊娠手術

1995年4月、健康保険対象となった腹腔鏡下手術

腸管癒着剥離術(準用、試験開腹術)、 胃・十二指腸潰瘍穿孔縫縮(準用、急性汎発性腹膜炎手術)、 胃切除術(準用、良性胃疾患および早期癌に限る)、脾摘出術(準用)、 小腸切除術(準用、良性小腸疾患に限る)、虫垂切除術(準用)、 大腸切除術(準用、良性大腸疾患および早期大腸癌に限る)、 膣式子宮全適術(準用)

1996年4月、健康保険対象となった腹腔鏡下手術

特発性食道拡張症手術、食道裂孔ヘルニア手術、胃・十二指腸潰瘍穿孔縫縮術、 胃切除術、食道下部迷走神経選択的切除術、噴門形成術、胆管切開結石摘出術、 肝嚢胞切開術、脾摘出術、腸管癒着剥離術、小腸切除術、虫垂切除術、 結腸切開術、副腎摘出術、腎摘出術、腹腔精巣摘出術、内精巣静脈結さつ術、 膣式子宮全摘術

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