私の声 97/07/20
最終更新日: 2002年09月16日、 アクセスした日: 12月14日

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1997年 7月 20日
診療報酬監査特殊法人を放置する市民の責任

今日、日本テレビが放映した「報道特捜プロジェクト 謎の特殊法人」を興味深く見ました。 これは、厚生省配下のレセプト審査関係の特殊法人が、いかに役に立たず、厚生官僚の天下り先の温床となり、巨額の人件費(退職金)を食うものであるかをレポートする番組でした。

この番組のおかげで、レセプトやカルテを厚生省が長らく消費者である患者に開示しなかった理由がわかりました。 すべては、厚生省官僚の天下り権益を守るための施策であったのです。

官による監視は役に立たないのですから、情報(この場合、レセプトやカルテ)を開示することにより、「私たち消費者や第三者機関(NPO)であるオンブズマンが官を介さずに病院を監視する」という構造が、医療の不正を防ぐあるべき姿だと言えましょう。

大阪の安田病院事件も同様に、病院の情報が公開され、患者が病院を選べるようになっていたら、防ぐことができた問題であったと思います。

今のところ、レセプトやカルテが開示される方向なので、ものごとは良い方向に向かっているのですが、もうひとつ大きな問題が残されています。

それは、御上の巨悪を追及せず見て見ぬふりをしてきた私たち市民の意識です。 健康保険の掛け金が上がったり、医療費支払いが2倍に増えたりしても、「まあ、なんとかなるだろう」と、何も文句を言わなかった私たち市民の感覚が、医療改革を阻む元凶です。

患者であり、消費者である私たちが変わらないと、厚生省を頂点とするシンジケートを崩すことはできません。 厚生省がレセプト開示を決めたといっても、レセプト入手まで時間がかかったり、費用が発生したりと、運用レベルの壁が用意されているに違いありません (短くとも、レセプト監視法人役員の再就職先が見つかるまでは)。

その壁に負けずに、医療サービスを受けたら、レセプトの開示を求めましょう。 そして、不正が行われていないか、自分たちでチェックしましょう。 そうすれば、医療費削減だけでなく、リストラ対象の特殊法人が増える結果ともなり、健康保険組合の収支の改善、ひいては患者の保険料の低減につながるでしょう。

インフォームドコンセントやカルテの開示についても同じことが言えます。 インフォームドコンセントを尽くし、ぎりぎりまで患者の生命と意思を尊重して医療を実践する医師がいます。 「お任せ医療」から脱却し、その医師に応える患者となりましょう。

それができなければ、インフォームドコンセントは「馬の耳に念仏」、レセプトやカルテは「豚に真珠」。 役に立たないばかりか、患者のための医療を追求する医療関係者の意気をくじくことになります。

患者のための良い医療は、私たち患者が望まなければ、得られない。 今、健康でも、年を取れば誰だって、病人や障害者になるのです。 健康なうちに、そして私のように医療被害に遭わないうちに、患者のための医療システムを作りましょう。

「脳死臓器移植法」は、殺人罪を恐れる医療側の要望で成立しましたが、その前に当然あるべき「患者の権利法」がいまだに存在しないのは、私たち患者の声が小さいからなのです。

患者の方のご意見、お待ちしております。


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