医療過誤裁判 私の場合 被告医師反対尋問 12
最終更新日: 2002年09月16日、 アクセスした日: 12月14日

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1999年 9月 30日
第 8回口頭弁論 被告医師 反対尋問 12

インフォームド・コンセント
手術の内容を自分で決めてから、患者や家族に説明する
亜区域切除が望ましいが、部分切除になるだろうことは説明しなかった


今度は別の点からお伺いしますけれども、あなたの場合、肝臓癌などの症例で切除の手術を考えた場合に、患者とか家族に対してのインフォームド・コンセントですけれども、どういった時点で、どういう手順でインフォームド・コンセントを行うということ、これは一般的に原則的に考えていらっしゃる方針というのはありますか。
まず内科から紹介がありますね、そこでまず患者さんを診まして、手術の内容を決めて、そこで御本人に説明して、そのときに家族の方がいないことも多いもんですから、また日を改めて手術の数日前に家族の人に来てもらって説明するということです。
今のお話だと、内科から紹介されてきて、まず外科医としてあなたが手術を決定して、その決定した手術の内容を患者さんに説明して、さらに家族に手術の数日前に説明しておくと、そういう手順で考えておるわけですね。
はい。
本件の●●さんも、今おっしゃったような大体、手順になったんでしょうか。
はい。
●●●●さんに手術の説明をしたのは、いつどこでなさったということになりますか。
外科の外来で最初に診察した日ですので、6月の 6日だと思います。
内科の H医師からの紹介が 6月 6日に来ていますね。
はい。
H医師からの紹介状がまず届くわけですね。
はい。
その時点で H医師との間では何か相談とか、直接口頭で話はされるんでしょうか。
はい、しました。
当日されたわけですか。
いえ、前もって。
いつごろのことか分かりますか。
毎週、内科との合同カンファランスがありまして、それが大概、その前の週の金曜日の朝のカンファランスに出た症例が外科に送られてくるというのが一般的だもんですから、恐らくその前の週の金曜日の朝だと思います。
その時点で H医師のほうからどういうふうに言われたんでしょうか。
細かい内容までは覚えていませんけれども、病状の説明があって、CT とかそういう資料の説明があって、手術適応だと思うのでよろしく、ということで相談があったと思います。
その場では意見交換されているわけですね。
はい。
その時には手術適応だと言われて、患者を診察した上で決定するということだったわけですか。
はい。
その時点では、手術の方法については話合いはされていますか。
その場では切除という方針が決まっただけです。
腹腔鏡でやれそうな症例だとか、そういう点についてはどうですか。
そこまでの具体的な方法についてのディスカッションはなかったと思います。
腹腔鏡下でやろうというふうに決められたのはどの時点なんですか。
外来で診察した時点です。
6月 6日の外来で診察したときですけれども、●●●●さんは自分の病気について肝臓癌であるということは理解されていましたか。
癌という名前で理解していたかどうかは、ちょっとそのときは分からないんですけれども、ほかっておくと大きくなって悪影響が出る疾患というふうに理解しておられたと、たしかそういうふうに。 癌という言葉で内科で説明がいってたかどうかは分からないんですけれども、そういうふうな説明で、治療が必要だということで。
前の週のカンファランスで Hドクターから、患者本人にはこう説明してあるというような伝達はあなたのほうにはなかったんですか。
どういうふうに説明したかということまでの話はあったかもしれませんけれども、そこまでのちょっと記憶がないんですけど。
これはどの時点でもいいんですけれども、カンファランスの時点でもいいんですけれども、H医師との意見交換で切除術はやろうというふうに決められたということでしたけれども、肝切除というのは分類しますと亜区域切除と部分切除とあるんですね。
はい。
そのあたりについては何か決めておられましたか。
亜区域切除というのは肝臓の解剖に従った切除で、部分切除というのはそれから外れるようなことを言うんですけれども、実際的に肝硬変のある患者さんの場合には亜区域切除といってもはっきりと境界が分かりませんので、部分切除に近い亜区域切除がされることがほとんどです。 肝硬変のない患者さんの場合には、かなり大きな範囲で採れば解剖学的に沿った手術もできますけれども。 ですから一般的に言えば、肝硬変のある場合は亜区域切除と部分切除とは似た言葉ということになります。
第 6回の速記録の 15ページですけれども、亜区域切除を目指すけれども部分切除になるという証言があるんですね。 その言葉はそのまま取りますと亜区域切除のほうが望ましいという意味なんでしょうか。
癌の根治性ということを考えますと、ある領域を採るということが望ましいです。 ですから、そういう手術が正しくできれば一番というか、まあいいんですけれども、実際的には深い所は残ってしまうことがあるもんですから、という意味です。 ですから、亜区域切除に沿った手術をやろうと思っても、実際的に深い所にその区域の一部が残るということはよくあることです。
●●さんの場合にも、肝硬変でもあるし、亜区域切除が望ましいけれども部分切除になるだろうという予定の下に切除を決定されたということですね。
はい。
●●●●さんへの説明では、そういったものをどの範囲でどういうふうに切るんだとか、そういった説明はされているんでしょうか。
●●さんには部分切除ということで説明したと思います。 亜区域という言葉は使わずに、悪いところを含めて正常な部分を一部付けて切除するというふうに説明したと思います。
本当は根治性から言うともっと大きく採るといいんだけれども、そうではなくて部分的になるというような説明をされましたか。
それは話してないです。

続く


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