医療過誤裁判 私の場合 被告医師反対尋問 10
最終更新日: 2002年09月16日、 アクセスした日: 12月14日

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1999年 9月 30日
第 8回口頭弁論 被告医師 反対尋問 10

死亡診断書や家族への説明に DIC を記載しなかった理由
カルテにも記載しなかった理由


甲第 4号証 (死亡診断書) を示す
これはあなたが書かれたものですね。
はい。
死亡の原因の欄の直接死因として術後肝不全、術後腎不全、それの原因として肝切除術後出血となっていますね。
はい。
その出血の原因として肝癌という順序で書かれていますね。
はい。
(ア) の原因として、術後出血 DIC とかいった記述の仕方もあると思うんですけれども、DIC が記載されていない理由がちょっと分からないんですが、どうしてですか。
DIC という病名をそこに付けてもいいと思います。 ただ、書くときに、一連のまず手術が必要となった原因として肝臓癌がありますね、それで手術を行ったと、それで出血の原因は手術ですので…、というふうに書いたんですけど、特に DIC と書かなかった理由はないと思います。
DIC が発生して出血があったんであれば、しかも、DIC というのは多臓器不全の非常に大きな要因ですよね。
はい。
だから、死亡原因としては端的に DIC と書く例が多いんじゃないかと思うんですけどね。
DIC というのは死亡原因ではなくて、やはり死亡原因は多臓器不全です。
その多臓器不全の原因として、(ア) の原因として (イ) の欄に DIC と書かれる例があると思うんですけれども。
DIC というのは一般的に非常になじみにくい言葉なもんですから、死亡診断書に書く病名としては、ちょっと普通の場では意味が通じにくいかなとは思います。
乙第 15号証の 54ページを見ますと、6月 17日、家族にムンテラとなっていますね。
はい。
ここにも「腎不全、肝不全の状態です」ということが書いてあるんですけれども、DIC という点についての説明が書かれてないですね、血液が固まりにくくなったんだというようなことですね、これはどうしてなんでしょうか。
説明する場合には、そのときの最も分かりやすい状態というか、腎不全でおしっこが出ていない、それから、肝不全で血が固まりにくいとか、低蛋白があるとか、そういったことを表す状態として腎不全、肝不全ということはまず言うんですけど、先ほども言ったように DIC という言葉はなかなか説明しにくい言葉ですし。
少なくとも DIC と呼ばれる症状が発生して血液が止まりにくくなって、という説明はね。
DIC という言葉は使ってないと思いますけれども、血液が固まりにくいということは言ってると思います。
そしたら、このムンテラの要約としては DIC の趣旨についても説明したと記載するんじゃないですか。 原告の家族はそういったたぐいの説明は受けた覚えがないとおっしゃってるもんですからね。
DIC という言葉は使ってないと思いますけれども、その状態に対する説明は言ってると思います、血が固まりにくい状態ということは。
結局、素人には分かりにくいだろうということで、そういうようなことは言わなかったと、あるいは説明しなかったということですね、DIC という言葉を使って。
状態は説明しても DIC という単語は使わなかったということだと思います。
乙第 15号証の 6ページを示す
これは再開腹手術についての記事ですね。
はい。
「肝断端よりの出血」「woozing 様」のうんぬんと説明があるんですけれども、これは医師御自身の専門的な記録として残すカルテですので、DIC と書いてもいいと思うんですけれども、どこにも DIC、あるいは DIC の疑いとかいった説明は記録されていないんですけれども、これはどうしてですか。
これは手術記録ですので、病名を書く欄ではないので、そのときの血液の状態とか、やったことを書く記録ですので。
しかし、この時点でそういう症状が起こっているかもしれないということを疑えば、そういうふうに記載されるカルテの記載例はあると思うんですけれどもね、クエスチョンマークを付けたりね。
その時点で判断したことは、DIC というふうに判断してるわけです。
だから判断すると、そこに、DIC が発生してるというふうに普通は記載するんじゃないですか。
それは手術記録ですので、先ほども言ったように、そこでやったこととか、血液の状態とかは書きますけれども、そういう総合的な診断名はそこに書かなかったということです。

続く


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