医療過誤裁判 私の場合 被告医師反対尋問 7
最終更新日: 2002年09月16日、 アクセスした日: 12月14日

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1999年 9月 30日
第 8回口頭弁論 被告医師 反対尋問 7

波凝固装置やアルゴンビームコアグレーターによる止血はしなかった
側副血行路を損傷した


今回、この裁判で乙第 18号証という形で被告のほうからビデオテープを証拠として出しているんですけれども、それは御覧になりましたか。
はい。
今回の手術記録にあるビデオと乙第 26号証のビデオテープを比較してみて、まず同じ状況で手術が進んでいるという御理解か、やっぱり違った点もあるという御理解なんでしょうか。
… かなり前に提出したビデオなもんですから、具体的に、例えばその提出したビデオで、マイクロウェーブを使ってたような気がするんですけれども、どうでしょうか。
ビデオによりますと、 「マイクロウェーブと超音波メスとの併用は手術中の出血量を減らし、術後の肝不全を予防するのに役立つ。」 というようなことで、マイクロウェーブと超音波メスとの併用がなされたと思うんですが、そういった記憶はありますか。
はい。
今回の場合はそういった併用はなされてますか。
してません。
肝切離面の止血にはフィブリン糊が有効であるということがビデオでも出ていたと思うんですが、それはそのとおり間違いないですね。
はい。
今回の場合はフィブリン糊による止血までは、いってないですね。
はい。
もう一度確認しますけれども、マイクロ照射による止血というのは今回の場合、行われていますか。
やっていません。
アルゴンビームコアグレーターといった止血方法がありますか。
あります。
それは被告から出された医学文献にも出てくるんですけれども、このような止血方法は本件手術では行われていますか。
してません。
乙第 7号証を示す
東邦大学の高木先生たちが書かれている文献ですが、これは当然読まれていますね。
はい。
これによりますと、マイクロ波凝固装置とかアルゴンビームコアグレーターとかいった止血法方がいろいろ記述されているんですけれども、こういった方法は採られていないわけですね。
はい。
乙第 15号証の 5ページを示す
下から 5行目辺りに、 「キューサーを使用して肝切除術を終了した」 ということで、「断面よりの出血」という記述がありますね。
はい。
手術を 1回終了した段階では肝断面からの出血があったわけですね。
はい。
出血としては、ほかに何か考えていましたか。
肝断面だけです。
乙第 15号証の 6ページを示す
2番目の行で、「肝断端よりの出血 (++) 」という記述がありますけれども、ここでもやっぱり肝断面の出血が念頭に置かれていたわけですね。
はい。
乙第 15号証の 16ページの 2を示す
この段階というのは、いつの段階か分かりますか。
これは翌日の朝の再々開腹の手術の時点の所見です。
この段階で初めて、肝外の側副血行路が出血部位であったということが書かれているんですけれども、この時点で初めて側副血行路からも出血しているということに気付かれたわけですか。
側副血行路というのは肝臓の断面の周囲にありますので、断面下で出ていれば断面下の出血と一緒になります。
ということは、先ほどの肝断面からの出血というのは側副血行路も含まれているという理解になるわけですか。
そうです。 断面そのものの出血は止まったけれども側副血行路の出血は残っているということだと思います。
そうすると、前のところではどうして側副血行路という言葉が出てこないんですか。
断面からの出血がありますので、それと一緒になりますので…、そのときは断面からの出血が主ですけれども、あちこちの細かい出血はありますけれども、断面からの出血がまず目立ったということです。
出血するということは側副血行路が損傷されたということですね。
そうです。
甲第 14号証の図 7を示す
大体この辺りで側副血行路が損傷されたという可能性はありますか。
この辺りだと思います。 あと、開腹してからも肝臓を起こしたりするのにどうしてもまわりからの癒着をはがさなくちゃいけませんので、側副血行路は必ずある程度は切らないと肝臓の手術はできませんので。
腹腔鏡下でやったために側副血行路が損傷されていることが発見しにくかったということはありますか。
側副血行路というのは非常に細かい血管で、毛細血管が拡張したようなものですので、通常であればそれはもう止まるんですけれども、DIC という状態が起きたために血が固まりにくくなってそういう細かい血管からも出血したということです。 腹腔鏡下だからそこの損傷が発見しにくいということではなくて、肝臓の手術のときには側副血行路は必ず切らなければ手術できないところなんです。 発見するというよりも切るところです。
側副血行路の存在というのは、肝切除術については常に注意すべき点ではありますか。
はい。

続く


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