医療過誤裁判 私の場合 被告医師反対尋問 4
最終更新日: 2002年09月16日、 アクセスした日: 12月14日

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1999年 9月 30日
第 8回口頭弁論 被告医師 反対尋問 4

腹腔鏡下肝切除術の適応要件 「肝外発育型の腫瘍」 を欠いていた


(被告医師の速記録 (第 6回口頭弁論) を示す)
25ページの中段以降に、腹腔鏡下の肝切除術を行った場合の適応について証人が前々回証言されておるんですけれども、ここに述べられていること以外に手術適応として考慮すべきことは挙げられませんか。
… そうですね。 この適応でいいと思います。
(乙第 28号証を示す)
8ページの イ のところなんですけれども、甲第 7号証を引用して、以下手術適応のことを書かれているんですけれども、腫瘍側の要因では一番、二番とありまして、大きさ 5cm 以下の単結節型で、肝内転移や脈管侵襲を有していない肝外発育型の腫瘍という記述がありますね。
はい。
肝外発育型というのが重要な手術適応というか、手術適応を満たすだけの条件じゃないんですか。
… 肝内発育型というか、肝臓から表面が見えるという … 場所が肝臓から突出してるという意味だと思うんですけれども、突出してれば突出してるほど手術はよりやりやすいと。
(乙第 6号証を示す)
最初の 341 というページですけれども、中段辺りに「突出型肝癌」という言葉が見られますね。
(うなずく)
これは肝外発育型と同じ意味と伺ってよろしいですか。
はい。
同じく乙第 6号証の 344 というページですが、この一番最後のところなんですが、 「肝癌の場合、ごく限られた発育形態を示すもののみが腹腔鏡下手術でも可能となりうる。」 という形で、まあ発育形態にかなり重きを置いているんですが、やはり肝外発育型というのは手術適応の一つと伺っていいんですか。
それは絶対条件ではないと思います。 肝臓の表面に近ければ切除できると思います。
それはできますけれども、あなたの手術適応を認める文献の根拠として挙げられている医学文献には肝外発育型ということが出てきているわけですね。
そうじゃない文献もあると思います。
だけどあなたはその甲第 7号証の文献に依拠したということじゃないんですか。
…………。
必ずしもこの甲第 7号証の文献には依拠しなくてもいいというご意見ですか。
…… ちょっとその …… 手術手技的には表面から見えるものであれば取れると思いますし、ただ肝外発育というのは必ずしも飛び出してる格好を言うわけじゃなくて、肝臓の表面から突出しているということだと思います。 ●●さんもその点から言えばその部分が突出してましたし。
肝外に突出してましたか、●●さんの場合は。
突出というか、盛り上がってましたね。
盛り上がってましたか。
ええ。
(乙第 15号証を示す)
(16)-1 ですが、これは病理解剖で癌の形状とか位置を計ったものですね。
はい。
これによると肝臓の内部に潜っているといいますか、内部に存在しているように見えて、突出してないように見えるんですけれども、違いますか。
これは … 切り方で、例えば水平断で切ったりしますので、これでは突出してないということにはならないと思います。 水平断で切れば、例えば CT で切ったような方向で切ったりしますので …。
証人の理解では、これはまだ突出したとは言えないということですね。
はい。
(甲第 18号証を示す)
これは日本肝癌研究会というところが編集した原発性肝癌取扱い規約というものなんですが、これは御存じですか。
はい。
これの 34 というぺーじに肝外発育型というものの定義規定がありまして、有茎性又は無茎性に肝外に突出した腫瘤を形成するものであると、これは一般的な定義はいいわけですね。
はい。
同じく甲第 18号証の 53 というページの下のほうの写真ですけれども、これは右側の黒い部分が癌だというふうに理解してるんですけれども、それは正しいですか。
はい、正しいです。
左側の余り黒ずんでないほうが肝臓ですね。
はい。
そうすると、この肝臓の先端部分に肝外に文字どおり突出してると、こういうのが肝外発育型と言うんじゃないですか。
それは最も顕著に現れてる例です。
(甲第 24号証を示す)
これは裁判を起こす前に原告代理人のほうでいろいろな病院に照会を立てたアンケートの回答なんですが、この 2ページ目を見てください。 ここに図が書いてありますが、この回答書によりますと、肝切除術の適応を認める場合としてこのように肝の外側に発育するものでは茎を取るだけで済むので腹腔鏡下でも可能と予想されているというようなことが書かれているんですけれども、これも肝外発育型の典型例ですね。
はい。
ですから腹腔鏡下で認められる肝切除術というのは、こういった文字どおり肝外に発育してる場合に限られるんじゃないんですか。
そういった症例は非常にやりやすいということで、肝臓の表面にあれば、今ですと適応としている施設も多いと思いますが。
もう一度伺いますけれども、今回の●●さんの症例については、肝外に突出してないということは認められますか、やっぱり突出していたという理解ですか。
こういった一般的な肝内発育型という感じの点からすると、張ってはいないと思います。
張ってはいないですね。
はい。
(甲第 7号証を示す)
48 というページに示された手術適応の基準としての肝外発育型の腫瘍という、この要件は欠くということになるわけですか。
はい。

続く


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