最終更新日: 2002年09月16日、
アクセスした日: 12月14日
1999年 6月 17日
第 7回口頭弁論 被告医師 主尋問 2-2
集中治療室での治療
肝断端からの出血が継続 生血 7パックを輸血
- 集中治療室へ移されたということは、乙第 15号証の 63ページの 「経過観察表 1」 から分かりますか。
- はい。
- 集中治療室に移った時間はこれで見ると。
- 1時 18分です。
- 一番左の欄の時間になるわけですね。
- はい。
- ICU に移ってからの輸血の経過はどこを見れば分かりますか。
- 真ん中やや下の 「IN」 という欄の中ほどに生血と書いてある部分があります。
(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、というふうに書いてあります。
その時点で追加して生血を輸血しているということです。
- 生血 400ずつを入れた時間を具体的におっしゃっといてもらえませんか。
- 2時から 1パック目、3時から 2パック目、4時から 3パック目、それから 6時から 4パック目、およそ 7時くらいだと思うんですけど、7時くらいから 5パック目です。
- その次の 64ページではどうですか。
- 8時に 6パック目、9時に 7パック目です。
- を入れ始めているということですね。
- はい。
- ここで 1パック目、2パック目とおっしゃったのは手術室で使った 1パック目は入ってないわけですね。
- 入ってないです。
- そうすると、当初予定した 5人分といいますか、5パックというのでは足らないことになりますね。
- はい。
- それは追加で準備しておるわけですか。
- 5人分ではなくて、もっとたくさんの供血者の方がいらして、検査をして採血して、頂いたということです。
- 乙第 15号証の 53ページの真ん中辺りに 「生血 6人分追加採血した。」 と、こういうふうに記載がありますけれども、これのことをおっしゃるわけですね。
- ちょっと記憶がはっきりしないんですけども、この 6人分というのは再手術用に頂いたように思うんです。
ですから、実際にはこれ以外に手術後に使った患者さんの血液というのは既にあった血液だと思うんです。
- 既に頂いとった 5パック、5人分以外にもあったということですか。
- そうだと思います。
当初手術用にということで 5パックお願いしてたんですけども、大勢の方がみえて、何パックかは詳しく記憶してないんですけども、余分に頂いたということです。
- そのことはこの診療録には出てきてますか。
- 何人分ということはないんですけど、検査採血のドナー検査のところに実際に検査した人の名前が全部載ってますので。
- その人たちからたくさんもらっていると、こういうことですか。
- はい。
- (乙第 16号証を示す)
献血問診票というのがあって、たくさんの方々から名前書いていただいているんですが、ここに書かれている人たちから血を頂いたと、こういうことでしょうか。
- そうです。
- (乙第 15号証を示す)
そうすると、乙第 15号証の 53ページで、6人分追加採血というのは再々開腹のための生血であると、こういうことですか。
- はい。
- ICU へ移してからのこの患者さんの出血の状況は 63ページの 「経過観察表 1」 から言うとどうなりますか。
- 「OUT」 という欄に 「肝断端面」 という項目があります。
その右のほうに数字が 200、50、650 というふうに出てるんですけども、これがその時点の出血量です。
- 斜線が引っ張ってあって、その下に書いてある数字は。
- その合計です。
- 累積の合計量とみればいいわけですね。
- はい。
- ●●さんは ICU へ帰られてからも肝断端からの出血は少しずつではあるが続いてたと、こういうことになるわけですか。
- 続いてました。
- 肝断端からの出血というのは、ドレーンからの出血ということになるんですか。
- そうです。
- 出血する血液の状態といいますか、性状といいますか、再開腹したときには、先ほど手術記事にも血液がしゃびしゃびだという記載があったんですが、その点については ICU へ入ってからはどうだったんでしょうか。
- ドレーンからの出血はパックにためられているんですけども、そのパックの状況をずっと見てたんですけど、パックの血液の中に血の固まりができるようになったということで、徐々に血が固まるようになってきたと考えました。
- 今おっしゃったような状況の下で、あなたとしては次の取るべき手段をどのように決めたんですか。
- 再開腹時の状況に比べると血が固まりやすくなってきたもんですから、開けて直接出血部位を確認して止血することが可能ではないかというふうに考えました。
- もう一度開腹手術をして止血の措置を行おうと、こういうことになるわけですか。
- はい。
- その判断をなされたのが、大体、6月 16日の何時ごろか記憶しておりますか。
- 明け方です。
- 先ほど、生血 6人分を追加したというのは、再開腹を予定してのことだとおっしゃいましたけども、乙第 15号証の 53ページによると午前 5時半移行の記載になりますが、それよりも後になりますか。
- そうですね。
5時半の時点で 5パック目が入っているという記載で、その後、時間がちょっと書いてないんですけど、6時半とか 7時ぐらいの早朝の時点だと思います。
- (乙第 28号証を示す)
17ページの真ん中辺りの (3) を見ると、
「術後排液管からの出血が続いたため、生血 5人分の輸血を午前 8時まで続けた。
生血 5人分が輸血された時点 (午後 7時頃) で排液が凝固するようになり、血液凝固異常が改善してきていると判断されたが、排液管よりの出血は依然続いていた。」
と、こんな記載があるんですけども、これが今おっしゃったことになるわけですね。
- はい。
- この陳述書には、生血 5人分が輸血された時点として、午後 7時ごろというふうな時間が書いてあるんですが、これはどうでしょうか。
- 7時に 5パック目が入り始めたということでしょうか。
- ここには午後というふうに書いてあるんですけども。
- これは間違いです。
午前です。
- 午前の間違いだということですね。
- はい。
- で、その同じく 17ページの (4) を見ると、
「そこで、私は、再々手術を行うことにより肝断面を圧迫しているタオルを除去し、出血部位を確認し、止血操作を行うことにした。」
とこうあるので、その再々手術の決定をされたのは大体午前 7時ごろだというふうに見ればいいんでしょうね。
- はい。
- 家族の方に対してはどのように説明なさいましたか。
- 出血が依然続いてるということと、凝固異常は改善してきているために、このまま輸血を続けて経過を見るよりも、開腹をして出血部位を確認して止血したほうがより可能性のある治療法だというふうに話したと思います。
- そういうふうにお話しになって、もう一度開腹手術を行うということの承諾も得たということになるんでしょうか。
- はい。
- 再々開腹手術なんですけれども、いったん患者さんは ICU に戻ってるから、再度手術室に患者さんを移して手術を行うことになるんですね。
- はい。
- ICU を出たのが何時になるか記録から分かりますか。
- 分かります。
9時です。
続く