医療過誤裁判 私の場合 被告医師主尋問 1-6
最終更新日: 2002年09月16日、 アクセスした日: 12月14日

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1999年 4月 15日
第 6回口頭弁論 被告医師 主尋問 1-6

患者家族への説明が手術直前になったのは家族の希望


今度は、外科へ●●さんが移ってからのことを伺います。 ●●さんの御家族に対して腹腔鏡下の手術をやるという説明をしたことがありますね。
はい。
乙第 15号証の 13ページをご覧ください。
「手術 (検査等) および病状説明書」 という箇所ですが、この本文はあなたが記載したものですか。
はい。
一番下に、説明を受けた人として御長男の●●●●さんという署名がありますが、御長男の署名をもらったものに間違いありませんか。
はい。
乙第 15号証の 13ページをご覧ください。
「手術 (検査等) および病状説明書」という箇所ですが、この本文はあなたが記載したものですか。
はい。
一番下に、説明を受けた人として御長男の●●●●さんという署名がありますが、御長男の署名をもらったものに間違いありませんか。
はい。
本文に書かれているのが、あなたが御家族に対して行った説明の概略ということになるんでしょうか。
はい。
説明をされた場所にはどなたとどなたがいらっしゃいましたか。
●●●●さんだけだと思います。
奥さんは。
奥さんはいらっしゃらなかったと思います。
娘さんはどうですか。
娘さんもいなかったと思います。
この説明をした日にちは 6月 15日のようですが、時刻については記憶がありますか。
12時ぐらいだったと思います。
ということは、手術当日の手術の少し前ということになりますね。
はい。
こういう割合差し迫った時期に御子息に対して説明するようになったというのは、何か事情があったんでしょうか。
僕がベッドサイドに行ったときに奥さんがみえまして、そのときに手術の説明をいつしたらいいかとお話ししたときに、当日に息子さんがみえるから当日してほしいというふうに言われたもんですから当日になりました。
●●さんの奥さんに説明をしたいとおっしゃったのはいつの日か覚えていますか。
●●さんが入院されてきて翌日ぐらい、13日ぐらいだと思います。
外科へ転科された日の翌日ぐらいの記憶であるということですか。
はい。
あなたの陳述書によると奥さんや娘さんも同席されたような書き方がしてあるんですが、そこは間違いですか。
……。
陳述書の 12ページの 2行目を御覧になってください。
そのときは、奥さん娘さんは患者さんのほうに付き添われていたと思うんです。 ですから、奥さん娘さんには話したという記憶はなくて直接息子さんのみに説明したというふうに記憶しています。
説明した場所ですが、どこでおやりになりましたか。
病棟の医師室です。
乙第 15号証の 13ページの文章はかなり簡略化されて書かれていると思うんですが、これは御子息に対してどの程度の時間をかけて説明されたんでしょうか。
30分は説明したと思います。
30分というと大分長い時間いろいろのやり取りがあったんじゃないかと思われるんですけれども、概略どのような説明をなさったかおっしゃっていただけますか。
まず肝臓癌であるということ、それから肝硬変が基礎疾患としてあるということ、治療としては手術が一番確実でいいということ、手術の中でもおなかを開けてやる方法と、腹腔鏡下でやる方法も最近出てきて、腹腔鏡下でできれば手術侵襲が少なくて術後経過もいいと、●●さんの場合には場所が肝臓の表面近くにあるためにその方法でできる可能性があるというか、お話ししてまずその方法でやることを勧めました。 ただし、手技的にはおなかを開けることよりも、やること自体が難しいもんですから、途中で手術時間が長くなったり出血量が増えたり、困難になった場合には開腹術に変更になるというふうに説明しました。
乙第 15号証の 13ページを見ますと、スケッチが書いてあって腫瘤の大きさが 3センチ大と書いてありますね。
はい。
先ほどの超音波検査の結果だと直径が 2.1センチという記録のようですが、その大きさの誤差というのはどこから来ることなのか。
一番最初に CT 検査がやられていまして、一番最後の CT 検査で見て測ったところでは、ほぼ 3センチということで 3センチと説明しました。
13ページの下のほうを見ますと、合併症として術後出血、胆汁瘻、肝不全、この 3つが挙がっておりますが、これはどのように御子息にはお話しになったでしょうか。
肝硬変がある場合には肝機能に余力がないものですから、少しの肝切除術でも、あるいは出血が加わったりすれば術後肝不全ということが起こる可能性があるということ、あと、胆管が開いている場合には肝臓の断面から胆汁が漏れることがある、それが胆汁瘻なんですけれども、その場合には膿がたまったりということがあります。 あともうひとつは出血です。 肝臓というのは非常に血流が多い臓器なものですから毛細血管がいっぱいありますので、そういうところから術後、血の塊が取れたりすれば出血することがあるというふうに説明したと思います。
●●さんのように肝硬変を合併しておられる患者さんの場合、術後出血、胆汁瘻、あるいは肝不全というような合併症がどの程度の頻度で起こるのか、そのあたり、具体的なパーセンテージというようなものまで含めてご説明になっているのか、今おっしゃった程度の一般的な説明で終わっているのか、そのへんはどうですか。
パーセントでは説明してないです、一般的な説明です。
●●●●さんのほうからあなたの説明に対して質問が出たことはありませんか。
質問はありました。
どういうことでしょうか。
腹腔鏡下は何例目であるかというような質問はありました。 それから、腹腔鏡下で行った場合の危険性という質問もあったと思います。
今の質問についてはどのように説明しましたか。
まず 2例目ということを説明しました。 あと、危険性というのは、危険というよりも腹腔鏡下でやることによって手技が困難になることがあるために、手術時間が延長になったり出血が出たりするという場合があるので、その場合には開腹術に切り替わるということで対処するというふうに説明しました。
1例目の経験について、どの程度具体的に●●さんのほうに御説明になったか記憶していますか。
1例目は術後経過は順調で、術後 1週間程度で退院できたというふうに説明したと思います。
1例目の患者さんの術前の肝機能の検査値とか、血小板の数値とか、肝硬変の程度だとか、そういったことについては具体的にお話しになっているのかどうか、どうですか。
話してません。
その点についての質問は●●さんのほうからなかったわけですか。
ないです。
治療法について、肝臓を切ると、切除術をやるというんじゃなくて別の治療法もあるんじゃないかとか、そういう方法を採った場合にはどうかという肝切除術以外の治療法についての質問もありませんでしたか。
なかったと思います。
先ほどのお話しですと、大体説明に 30分ぐらいの時間を要したんじゃないかと言われましたが、今の程度のあれで 30分ぐらい経過したんでしょうか。
そうですね。
例えば、先ほどおっしゃっていただいている●●さんの術前の検査値、そういう数値まで話題にして説明をなさっているのか、そこまで細かくは立ち入ってないのか、どうでしょうか。
数値は言ってないです。

続く


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