医療過誤裁判 私の場合 原告声明文
最終更新日: 2002年09月16日、 アクセスした日: 12月14日

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記者会見 原告声明文

1997年 6月 23日 (月)
原告代表: 阿部 康一

私の父は、直径 2 cmの小さな肝臓癌をとるために、技術が確立されていない腹腔鏡下肝切除術を十分な説明なく受けましたが、手術の2日後、手術による大量出血がもとで亡くなりました。

この最悪の結果を私たち遺族は、到底受け入れることはできません。 先週の6月17日は父の命日でしたが、父が亡くなってから2年が経過した今になっても、私たち遺族の心の整理はできないままです。

私たちが裁判を起こす目的は、3つあります。

  1. 父の死の真相を究明し、被告の責任を立証した上で、私たち遺族に対する謝罪を被告に求めたい。

  2. 被告に反省していただき、同様の事故を二度と起こさぬよう、医療の質を向上させていただきたい。

    被告の半田市が管理責任を持つ半田病院は、私の父の例を含め、先端医療を実施しているようですが、病院の体制が先端医療を許す体制になっているのか、特に、患者に対するインフォームド・コンセントが行き届いているのか、先端医療を実施する場合の院内の倫理規定が守られているのか、という点について見直していただきたい。

  3. 世間に腹腔鏡手術の危険性を認知してもらいたい。

    腹腔鏡下手術は、患者のQOL (生活の質)を飛躍的に向上させる手術法として、最近脚光を浴びています。

    しかし、この手術法はとても難しい手術であり、その危険性については、あまり知られておりません。

    医師から腹腔鏡下手術を勧められた患者の方は、その危険性を理解し、他の手術法と比較検討した上で、御自分が受ける手術を決めていただきたい。

    医療機関ならびに医学会に対しては、腹腔鏡下手術の適応をむやみに広げるのをやめ、今一度「患者のQOL向上のため」という原点に立ち戻って、腹腔鏡下手術の適応範囲を再検討していただきたい。

    特に、腹腔鏡下肝切除術については、他にエタノール注入法や、マイクロ波凝固療法という切除手術より安全で、かつその効果や術後のQOLに差のない治療法がありますので、そちらを推進していただき、私たち遺族の気持ちと致しましては、腹腔鏡下肝切除術が禁止されることを願います。

人の命は、お金に換えられないと言いますが、医療過誤が金銭賠償の請求でしか責任を問えない現実を虚しく思います。

しかし、このまま泣き寝入りしたのでは、半田病院、ひいては日本の医療の質の向上は図れないと考え、提訴するに至りました。

以上


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