医療と裁判 目次
最終更新日: 2004年07月31日、 アクセスした日: 05月18日


はじめに

第1章 なぜ裁判に訴えるのか

  1. 医療過誤訴訟の現状
      「医療過誤」とは | 増える医療訴訟 | 訴訟の終わり方 | 長引く医療訴訟 | 訴訟の改善策 | 期待薄でもなぜ増える | 人の生き方の変化と医療
  2. 医療被害の特殊性
    1. 医療被害の重さ
      予期せぬ不幸 | 事故の意味を探る | 医療側への不信 | 医療事故の分類
    2. 相談先を求めて 個別の不幸から
      | 医療被害の自覚 | 役所・警察への相談 | 医師会への相談
    3. なぜ被害が無視されるのか
      見捨てられる医療事故 | 無視される異状死の届出
  3. 提訴に備える
    1. 弁護士事務所へ
      事実が知りたい | 事実は闇の中 | 自分のことが知らされない不条理 | ルールがない
    2. 一体何が起きたのか
      事件の記憶 | 疾病の基礎知識 | 医療記録の閲覧
    3. 責任を問えるか
      判例からルールを探る | 責任を問うむずかしさ | 患者のこだわりから眺める

第2章 裁判の実際

  1. 提訴に至るまで
    1. 提訴までの時間
      患者の記憶と客観的証拠 | 医師の落ち度を探る | 反論に備える
    2. 事実関係を確かめる
      カルテ等の入手方法 | 裁判所による証拠保全 | 証拠保全の実際 | 医療記録の解読と検討 | 事故後に受けた説明 | 事実と真実
    3. 専門知識を以下に得るか
      やっかいな「医学的事実」 | 医学文献の収集 | 医師への相談
    4. 訴訟にかかる費用
      訴訟費用の内訳 | 弁護士の報酬 | 訴訟救助と法律扶助 | 訴訟にかかる総費用 | 公平な訴訟費用の負担
  2. 審理の流れ
    1. 訴訟の概要
      訴訟の仕組み | 訴訟の 3段階
    2. 複雑な事実を確かめていく -- 主張整理 その1
      経過事実を争う意味 | 事実の再現と判断の複合体 | 事実関係を絞る危うさ
    3. 過失を特定する -- 主張整理 その2
      医師は何をすべきであったのか | 医療側の訴訟態度 | 過失は事実から見える
    4. ミスと結果はつながるか -- 主張整理 その3
      患者に答えさせる不条理 | 「因果関係」という不可思議 | 明らかな過失でも責任否定 | 「因果関係」は個別的判断 | 裁判は過去を判断するもの
    5. 人証調べの実際
      人証調べと所用時間 | 法廷での尋問 | 被告医師への反対尋問
    6. 医学専門家による鑑定意見
      鑑定に頼る傾向 | 専門家追随の恐れ | なり手が少ない鑑定人 | 公正中立はない
  3. 和解か判決か
    1. 判決と和解の差
      裁判の終局 | 和解の勧め | 強引な和解勧告 | 意義深い和解 | 気になる訴訟の取り下げ
    2. 控訴して争う
      判決の構成 | 判決への不服 | 控訴審での審理 | 判決の余韻
    3. 敗訴した当事者の思い
      敗訴になる理由 | 不満は結果でなく過程 | 納得できない結論 | 弁護士の苦悩と責任

第3章 勝敗を超えて

  1. 医療と裁判をくぐりぬけて
    1. 変わらない医師・医療
      裁判を終えて | 判決の後のむなしさ
    2. 原告たちを繋ぐ力
      被害者の集まり | 裁判の傍聴 | 刑事処罰の要求
  2. 裁判所は機能しているか
    1. 改革への課題
      非効率な医療過誤訴訟 | 世界的課題と日本的特徴 | 厳格な事実認定 | 診療経過の立証を促す | 証拠の開示と改竄抑止 | 鑑定裁判
    2. 裁判官の資質
      神様でなく職員 | 専門家への過剰な配慮 | 転勤による弊害
  3. 医療は機能しているか
    1. 専門家の説明責任
      専門家の資質 | カルテの改竄 | 組織的隠蔽
    2. 専門家集団の自立
      社会的役割 | 医療専門家への規制 | 自浄作用は期待薄 | どうして事故を防ぐか | 資格の実質を問う
    3. 警察とマスコミの過渡的役割
      事故防止対策の背景 | 民事訴訟と警察・マスコミ

終章 弁護士として、同伴者として

  1. 弁護士に向けられる視線
    1. 社会の現実とのルールを繋ぐ
      同伴者の絆 | 厳しい批判の目の前で | 越えがたい溝
    2. 依頼者とどう向き合うか -- 同伴者
      医療訴訟に特有の困難 | 傲慢な弁護士でないか | 専門家たる役割
  2. 弁護士が果たすべき役割
    1. ルールを生みだす
      弁護士の仕事 | 仲介者として
    2. 事故が教訓とされるために
      被告の訴訟態度 | 争うべき事実は何か | 事実に固執する
    3. 失敗から学ぶ
      弁護士の原点 | 私の反省例 | 最初の敗訴例
    4. 弁護士の新しい仕事
      多用化する弁護士の役割 | 規制概念を超えて

あとがき

参考文献

索引

表題医療と裁判
副題弁護士として、同伴者として
発行日2004年 3月 26日
著者 石川 寛俊 (いしかわ ひろとし)
1949年 奈良県生まれ。弁護士。
73年 京都大学法学部卒業、同年司法試験合格。
現在、日弁連弁護士倫理委員会副委員長、
大阪弁護士会弁護士倫理委員会委員長。
これまで 200件以上の医療過誤事件 (最高裁肝癌見落とし事件、
最高裁急性脳症事件、大阪高裁インプラント事件など) や
薬害訴訟 (スモン、薬害HIV、MMR予防接種など) を手がける。
発行岩波書店 03-5210-4000 http://www.iwanami.co.jp/
定価2,000円+税、230ページ
ISBN4-00-022140-X


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